選挙ポスター掲示場 全国総ウェブ化プロジェクト(2022年参議院選挙)とは何だったのか

2022年
ローカル・マニフェスト大賞<市民・団体の部>最優秀賞 受賞時のプレゼンの動画です

■プロジェクト要旨
選挙のたびに選挙ポスター掲示場の設置・撤去がされています。それには多額の税金が使われており、極めてコストパフォーマンスが悪く、様々な問題を抱えている存在である事に気付きました。そこで、「ユスケンラボ」と言うウェブサイトを立ち上げ、選挙ポスター掲示場・選挙ポスター・選挙公報をウェブ上に公開し、問題提起、選挙啓発活動に取り組んでいます。個の活動だけに留まらず、日本全国で同様の活動が広がって欲しいと思い、2022年の参議院議員選挙にて「選挙ポスター掲示場 全国総ウェブ化プロジェクト」を実施しました。

■選挙ポスター掲示場の問題点
一目で「選挙」を認識できる「選挙ポスター掲示場」。日本の選挙において当たり前の景色ですが、極めてコストパフォーマンスが悪く、様々な問題を抱えている事に気付きました。

  • 選挙管理委員会のウェブサイトに公開されていない。
  • 役所を含め、投票所に設置されていない。駅前などの人通りが多く、目立つ場所に設置されていない(選挙に気付かない)。
  • 逆に小中学校や公園が立ち並ぶ所には設置過剰な所もある。
  • 設置・撤去に多くの税金が使われている。(参考資料1)
  • 全候補者の選挙ポスターが貼られていない。
  • 候補者は選挙ポスターを貼ること自体が大きな負担となっており、資金力・組織力がない候補者の不利益になっている。

■問題解決のアイデア
①記憶と記録。チェック機能。

選挙ポスター掲示場の視認性、掲載されている情報を最大限に活かしつつ、問題点をカバー出来るような方法を模索したところ、選挙ポスター掲示場及び選挙ポスターを写真に撮り、ウェブサイトに掲載することに至りました。この活動を2019年4月の統一地方選挙から開始しており、選挙ポスターと選挙公報を並列で掲載しています。

選挙ポスターのデザインは、脳内に映像として記憶すること(イメージ記憶)が出来ますので、長期記憶に適していると言えます。「前回の選挙で誰に投票したか」すら、忘れてしまいますので、候補者の選挙公約など覚えているはずがありません。 記憶に残り、記録があって初めて市民が政治家をチェックできると思いますので、選挙ポスター掲示場と選挙公報をセットでアーカイブされ閲覧できるサイトは意義のあるものだと思い、取り組みました。

②新しい選挙啓発。全国展開。
職場、学校、友人、そして家族ですら政治や選挙の話をすることが、とても高いハードルとなっているのが現状です。そこで、選挙ポスターを写真に撮る、シェアするという行動であれば、ハードルが大幅に下がると思いました。 自分一人だけでは出来る事は限りがありますが、私の取り組みを日本全国に周知することで、広げることが出来ると思い、全国のどこからでも、どんな人であっても参加できる選挙啓発活動を2022年の参議院選挙で実施しました。

■プロジェクトの実施概要
2022年参議院選挙において、Twitterを中心に日本全国に呼び掛け(画像1)、各選挙区の選挙ポスター掲示場、及び各候補者の選挙ポスターの写真を収集。選挙期間中に選挙公報と並列してウェブ上に公開。 プロジェクト実施期間:2022年6月21日(公示日前日)~7月11日(投開票日翌日)
(ただし、7月10日投開票日の0時〜20時は更新作業を停止)

画像1

■プロジェクトの成果 (参考資料2)
以下の情報を収集し、ウェブサイト(ユスケンラボ特設サイト)へ掲載することが出来ました。
情報収集には述べ40人の方に情報提供いただきました。

【選挙ポスター・選挙公報】
選挙区258枚/367人(70%)
・比例代表*31枚/178人(17%) (*自民党は党本部前に比例代表の掲示板を作成している)
合計289枚/545人(53%)

【選挙ポスター掲示場】
・掲示場(不完全版も含む)
39選挙区/45選挙区(86%)
・掲示場(コンプリート版*)*全候補者のポスターが貼られている掲示板
24選挙区/45選挙区(53%)

【メディア掲載】
東京新聞にプロジェクトを取材いただき、紙面及びウェブで紹介されました。
東京新聞7月7日夕刊 (画像2)、及びウェブ版

■今後の取り組み
現在の活動の継続しながら、市民が地域の課題、地方議会、地方選挙にコミットできるツール開発や、選挙ポスター掲示場の設置場所検討の要望、公職選挙法改正へ向けた働きかけを行っていきたいと思います。

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