選挙ポスター撮影記 沖縄編②

2022年

9月8日(木)沖縄出発日。
できるだけ活動時間を確保するために朝8時30分羽田発の飛行機に乗った。
那覇空港到着は予定通り11時15分。天候は曇り時々晴れ。

本当は午前中から活動開始したかったが、
レンタカー屋さんが那覇空港から結構離れており(豊見城市)、
移動と手続きでだいぶロスしてしまい、12時過ぎから活動をスタートした。

選挙ポスター掲示板を撮影するだけのことだが、
日没後は暗くて撮影できなくなるため、時間との勝負になる。
(2022年9月8日の那覇市の日没時間は18:42)
さらには台風12号が発生し沖縄に接近すると予報が出ていた。

出典 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220908/k10013808601000.html

雨で濡れるくらいなら大したことではないのだが、
台風で選挙ポスター掲示板が撤去されてしまったら、THE ENDだ。

現に台風11号の影響で、8月末には選挙ポスター掲示板が一度撤去されている。
台風11号が沖縄接近…選管大忙し ポスター掲示板を一時撤去 期日前投票所の閉鎖も検討
出典 2022年8月31日 08:04 沖縄タイムス+プラス

もはや自然との戦いになっていたのだ。

とにかく急いで北部へ車を走らせた。最北を目指し、南へ降りてくる計画だ。
レンタカー屋からまっすぐ高速道路(豊見城IC)へ向かう。

そしてついに現れたのが、のぼり旗だ。
野菜や果物の無人販売があるような雰囲気のところに
知事選候補者の候補者の名前が書かれた野立てのぼり旗が1本立っていた。
(残念ながら撮影する余裕がなかった)

選挙ポスター掲示板より先にのぼり旗を発見したのだ。
選挙に詳しい人ならご存知の通り、のぼり旗は違法だ。

念の為言っておくが、ここで誰かを吊し上げるのが目的ではない。
沖縄を車で走らせればすぐにわかるが、全候補者がのぼり旗を立てていた。
知事選だけではなく、自治体選挙も同様。
下記の写真は沖縄各所で見られてのぼり旗や幕だ。

これが沖縄の選挙だ。

「赤信号みんなで渡れば怖くない」という事なのだろうか。
候補者の意識、有権者の知識、公職選挙法のあり方について
考えさせられる。

さて、この先お店があるのかどうかも分からないので
中城PAでランチを取ることにした。
ここは迷わず600円のソーキそば。結構美味い。コスパは最高だ。

これがそばの基準になってしまったため、
後に国際通りで食べた1800円くらいのそばで悔しい思いをすることになる。


しかし肝心の選挙ポスター掲示板をまだ見ていない。
高速に乗ってしまったからかもしれないが、
許田ICで降りても全く見かけないのだ。

出典 https://www.car489.info/kousoku/

・直前に来た台風11号対策で掲示板が撤去されてしまっているのか、
・これから来る台風12号対策で撤去しまったのか。
・そもそも掲示板の設置数が極端に少ないのではないか。

運転しながら徐々に不安になってきた。
沖縄に着いてまだ車の運転しかしていない。
一旦落ち着こうとコンビニに立ち寄り。
琉球新報と沖縄タイムスとさんぴん茶を買った。

そこに現れたのが1台の街宣車だ。


名護市議選の候補者の街宣車。
候補者は乗っていなかったが、
沖縄に到着してやっと選挙を感じることができた。

そしてその15分後、

キターーーーー!
やっと第一村人、発見。いや、第一掲示板、発見。
沖縄上陸から3時間半の遭遇は感動もひとしお。

しかし県知事選の掲示板しかなく
名護市議選の掲示板がないことに気付きすぐ落胆。
車から降りることもなく、遠目からの雑なショットとなった。

そうは言ってもエンジンがかかったのは確か。
日没まで約3時間と迫っているのに掲示板の撮れ高ゼロ。
北へ北へと再びぶっ飛ばした。

ここからは北部の西側の海岸線を走ることになった。
やっと海を感じたのもこの時だった。

そして、今度こそ、目標物に辿り着いたのだ。

大宜味村の選挙ポスター掲示場

大宜味選議会議員選挙・選挙ポスター掲示場
知事選と一緒に村長選挙と村議会議員選挙が行われおり、
トリプル選挙となっていた。

とてもマニアックな視点だが、
掲示板の白い部分を見て欲しい。

ナンバーが記されていないのだ。
このような掲示板を見たのは初めてだったので
ここまで来た甲斐があった。

私がこれまで見てきた選挙ポスター掲示板には、
No.8-1、No.18-1という番号が記載されており、
各自治体の選挙管理委員会が管理している。

ナンバリングがされていないという事は
おそらく選挙ポスター掲示場の設置数が少ない
ということなのだろう。
ちなみに大宜味村の有権者数2,625人だ。

設置場所は、大宜味選村役場旧庁舎の前。

大宜味選村役場旧庁舎

とにかく時間に追われ、掲示板探しに夢中だったので、
そういえばあそこって何だったっけ?
と今頃調べる感じになっているのだが、

大宜味村役場旧庁舎は、国指定重要文化財(建造物)。
1925年(大正14年)に完成。壊滅的な被害を受けた沖縄戦をくぐり抜け、
戦前から残っている数少ない建物のひとつらしい。
出典 おきなわ物語 沖縄観光情報WEBサイト 大宜味村役場旧庁舎(国指定重要文化財)

じっくり見とけば良かったとこれを書きながら少し後悔している。

さて、ここからは怒涛の掲示板巡り。

14:55 大宜味村(村長選村議選)三つどもえの選挙戦は12年ぶり。
15:18 国頭村(村議選) 11人のうち1人だけ落ちる選挙。
16:05 東村(村議選) 仙人が立候補する村。
17:04 名護市(市議選) 選挙公報を発行していない市。
17:41 本部町(町長選) 2006年以来、実に16年ぶりの選挙戦。
18:25 宜野座村(村議選) コールトゥアクション(行動喚起)を投票ではなく電話にしてしまった候補。
18:50 恩納村(村議選) 共同売店LOVEレボリューション22

なかなか見応えのある選挙ポスターが多い。
昭和にタイムスリップしたような感覚になる。
知事選以外はどこの選挙もオールドスクールスタイルなのだ。
(下地ミキオ氏が何年も先を行ってしまったので)

掲示板の数の方は、
これだけ周っても掲示板を見かけたのは10箇所ちょっとだけだった。
どこの自治体も見かけたのは1箇所だけで、
例外は宜野座村で4、5箇所見かけた。
これも興味深いところだ。

やはり沖縄北部は選挙ポスター掲示場が極端に少ない。

しかし、のぼり旗は多い!

ぜひ名護市で撮ったこの衝撃映像を見てほしい。
ものすごい人数が数百メートルにわたり
大通りの両側に立ってのぼり旗を掲げている。

選挙の終盤戦になると玉城デニー候補の優勢が報じられていたが
このサキマロードを見ると、まだまだ分からないのでは、と思ってしまった。
自民党の組織力を肌で感じた場面である。

選挙ポスター掲示場を撮影して周るだけでも
色んな選挙に遭遇するので面白い。

最後の恩納村は日没ギリギリ。
でもどうしてもこの水車が気になってしまい動画撮影。
すると、姿は見えないけど遠くから候補者の声が聞こえ
シュールな動画が出来上がった。
やっとここで候補者の生声が聞けたのである。

これで、初日の仕事は終了。


ホテルのチェックインは20時半を過ぎ。
クタクタだったが、最後の力を振り絞って、国際通りへ。
疲れているのも当然で、
自宅を5時に出発し、11時過ぎに沖縄に着いてから20時過ぎまで
252kmも運転していたのだ。

9月9日の朝8:28 出発前のメーター

平日だったが国際通りは思っていた以上に活気があった。
サッカーボールを店のシャッターに蹴ってボコボコぶつけている青年がいて
数年振りに街で酔っ払いを見た。

少しぶらぶらしたが飲食店側がノーマスクの店が多く驚いた。
自然とお店選びの難易度が高くなる。

なんとかリーズナブルなステーキとノンアルのオリオンビールにありつけ一人で乾杯。


個人的には沖縄らしいディナーで初日を無事に終えた。
選挙ポスター掲示板をサイトにアップせず
睡眠を優先したのであった。

つづく
沖縄編③