選挙ポスター撮影記 沖縄編③

2022年

9月9日、沖縄滞在2日目。

今日中に沖縄中の選挙ポスター掲示場を
撮影してしまいたい。
朝から車を走らせた。
台風の気配を全く感じない程快晴だが、
朝刊を見て驚いた。

沖縄県知事選の投票日は9月11日だが
宮古市の大神島では
本日9月9日に投票日を繰り上げると。
 
離島は海が荒れると投票箱を開票所まで
フェリーで運べなくなるのだ。
 
これが沖縄の選挙か…

さすがにこの報道を見ると焦ってしまう。
事実上、私にとって今日が選挙最終日だ。

昨日頑張ったおかげで
沖縄中部から始めることが出来た。

まずは北谷町。
ちょっとコンビニに立ち寄った。

すると駐車場で清原和博に似た風貌の
40代くらいの男が千鳥足で歩いている。
彼は完全に泥酔していた。
「大丈夫?タクシー呼ぼうか?」と
コンビニの定員さんが話しけている。
昨日に引き続き、酔っ払いに出くわしたのだ。

これが沖縄なのか。偶然なのか。

気を取り直し、
出発しようとするとなんと選挙カーを発見した。
しかも候補者が演説している。
そして選挙ポスター掲示板もある。
一石二鳥だ。

演説自体はすぐ終わってしまったので次の現場へ急ぐ。
さっきのコンビニの駐車場には
警察官が駆けつけており、
「(男は)タクシーで帰ったよ」
とコンビニの店員さんが伝えていた。

ここからはどんどん撮影を続けていった。

9:28 北谷町(町議選)何かに憑依されている候補
10:00 読谷村(村議選)まさかのマサヒコ
10:39 沖縄市(市議選アタリがあるよ
11:39 北中城村(村議選)15人中、比嘉4人・キャン2人
12:39 宜野湾市(市長選市議選)何かと話題のプリティ

宜野湾市では8年振りに普天間第二小学校へ立ち寄った。
米軍基地の真横にある。
8年前もこんな近くにあるんだと驚いた。

2017年12月、米軍ヘリの窓枠が
小学校に落下し小学校がケガをしている。
知っている場所だけに余計ショックだった。

普天間基地は危険であることは間違く、世界一危険な基地だと言われているが、
実は世界一危険な基地は、嘉手納基地だ。
ここ50年の航空事故は約800件。そのうち約600件は嘉手納基地で起こっている。
普天間基地は800件のうち17件だそうだ。
(沖縄国際大学 前泊博盛 教授談)
 
私は10年前、
2年ほど神奈川県大和市に住んでいたが
頻繁に厚木基地の戦闘機が
ものすごい爆音で頭の上を通過していた。
 
時には夜中の1時過ぎにも。
米軍なのでクレームも出来ない。
怒りをぶつけるところもない。
 
何かが落ちてくるのでは…
という恐怖は常にあった。

それが現実として
普天間第二小学校では起きている。
そして基地の移設など行われる気配は
全くないほど新しいビルが
基地内に建設されているそうだ。
 
詳細はポリタスTVのこの番組をご覧いただきたい。

沖縄へ行く前にとても勉強になった番組だ。
化学物質PFOS、PFASの問題を初めて知り衝撃を受けた。

最近もまたニュースになっている。
学校敷地から化学物質PFOS 沖縄米軍基地に隣接 米基準の29倍
出典 9/25(日)朝日新聞DIGITAL

私が米軍基地に問題意識を強く持っているのは
10年前の大和市での生活があったから。
 
そうでなければ
遠くで起きている事、
と思ったままだったかもしれない。
 
沖縄へ来る度に色々考えさせられる。
 
さて、
選挙ポスター掲示場へ戻ろう。

13:31 中城村(村議選
14:04 西原町(町議選
14:41 南風原町(町議選
15:01 南城市(市議選
15:33 八重瀬町(町議選
16:34 那覇市(沖縄県議補選

なんとか順調に進み
全ての選挙ポスター掲示板の撮影を終えることが出来た。
この時点でまだ16時30分過ぎ。
 
最低限のミッションを終えたので、
ホテルに車を置き、
残された時間は沖縄県知事選の候補者探しへシフトした。

Twitterで検索すると、この投稿が目に入った。

18時に県庁へ行けば玉城デニー候補がいる。
(良く見れば本人がいるとはどこにも書いてないのだが)
急いでゆいレール(沖縄都市モノレール)で
美栄橋駅から県庁前駅に向かった。
1駅なのですぐついてしまう。

県庁前駅に到着直前、驚くものが突然目に入った。
遠くにオレンジ色の物体が動いている。

真っ黒い肌にオレンジ色の服を着た人が
オレンジ色の自転車を漕いでいる。

下地ミキオ候補だ!

猛ダッシュで駅から下地さんを追いかけた。

信号に引っかかってしまったのだが、
大通り越し下地さんの姿を確認出来た。

思ったよりも真っ黒に日焼けしていて
遠くからだと影武者なのでは?
と思ったが間違いなく下地ミキオ候補だった。

信号が変わると
あっという間に自転車で消えていってしまった。

下地ミキオ氏は
2012年10月の野田内閣 第3次改造内閣時の
郵政民営化担当・内閣府特命担当大臣〔防災〕だ。

大臣経験者が
一人で自転車を漕いでいる。
信じられないような光景がそこにはあった。
 
完全にミキオ氏のインパクトに持っていかれてしまい、
デニー氏のことは頭から消えていた。

そうだ県庁前にデニー氏がいるんだ。
我に帰り、県庁へ足を進めた。

すると大きな声が聞こえてくる。
誰かが演説している。

そして、またオレンジ色が飛び込んできた。
県庁前にオレンジ色の街宣車、オレンジ色ののぼり旗。

参政党だ!

どこかで聞いたことがある声だと思ったら
7月の参院選で当選した神谷宗幣議員だ。

「沖縄に来たらソーキそばは食べる」と言う神谷氏

参政党は今回の沖縄知事選で
候補者を立てるような噂があったが
結局擁立はしなかった。

ではなぜ沖縄にいるのか。
それは沖縄県議補選に
参政党の候補者が出ているからだ。
それがなかまつ寛候補だ。

たった1議席の争いなのだが、どの政党も力を入れている。
それはそのはずで、

この補欠選挙は那覇市長選(10月23日投開票)への出馬を表明した
県政与党議員(翁長雄治氏・翁長元県知事の息子)の辞職に伴うもので、
県議会の与野党の構成は
議長を除き与党と野党・中立がどちらも23議席となっている。

このためどの勢力が補欠選挙の1議席を獲得するかが
議会運営の主導権だけでなく
県政運営にも大きく影響するからだ。

新人とは言え、沖縄上陸して
初の国会議員のお出ましに
テンションがあがった。

それだけではない、
映画「なぜ君」「香川一区」の大島新監督や
ヒルカラナンデスの御一行も現場にいるではないか。

彼らの着ているヒルカラナンデスの派手なタイダイTシャツは
めちゃくちゃ目立つから遠くからでもすぐに分かる。

実はこの日、私もタイダイTシャツは着ていた。

しかし沖縄ナンデスTシャツではなく
数年前にBEAUTY&YOUTH UNITED ARROWSで買った
タイダイTシャツだ。
派手だが全くの別物なので当然御一行から
気にされるはずもなかった。

目の前の光景は
参議院選挙でネット上でよく見かけた
参政党支持者の大群衆には程遠かった。
まばらだ。
 
屋外とはいえソーシャルディスタンスが取れたので
私にとってはありがたかった。
なぜなら彼らはノーマスク集団。
どこでもノーマスクなのだ。

私の住む平塚市では
3年振りに七夕まつりが開催された。
(7月8日〜7月10日)
ちょうど参議院選挙と重なる。
 
来場者は例年の半分ほどであったが、
それでもかなりの人が七夕まつりに訪れていた。
(3日間で80万人)
そこにオレンジ色のノーマスク集団が
街頭活動をしていたのだ。

湘南ひらつか七夕まつりでノーマスク街宣をしている参政党

さて、沖縄へ戻ろう。
主役のなかまつ寛候補の言いたいことはなんだか良く分からなかったが
イチ、ニノ、さんせいとー!
と締めくくる。

なかまつ寛候補の演説
沖縄県議会議員補欠選挙の選挙ポスター掲示場


顔より親指の印象が強烈な選挙ポスターの
違和感を増幅させる結果となった。やはり演説を聞くのは大事だ。
 
そしてまたまたデニー候補の事を忘れていた。
 
結局、デニー候補の集会を見つけられず
力尽きて国際通りのA&Wへ吸い込まれたのだ。
ようやく大好きなルートビアを飲めた。

そしてホテルへ戻り、
撮りためた選挙ポスター掲示場の写真を
ウェブサイトにアップする作業に
取り掛かった。

つづく

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